店主:岩佐昭一(36歳) 
サイクルフリーダムを23歳で開業:2009年~現在15年目
趣味:将棋

レース活動経歴 - ( JCF・JBCF ) -  
E1:3年 優勝または入賞:多数回
P1:4年 

「全日本ロードレース」出場:4回(2014~2017年)
全日本タイムトライアル」出場:1回
サイクルスポーツ誌主催「全日本最速店長選手権」 優勝:1回(2013年)
海外プロチームに選手兼メカニックとして帯同(2018年/数か月間の店舗休業)
 
2019年に現店舗へ移転、以後レース活動は休止。
2024年夏に競技復帰、
2025年からE1で走ります。E1で走るのは9年ぶり、頑張ります。


以下執筆中、
あまり下記と考え方が変わっていないので、文章に悩み中です。



以下は2015年の28歳の時に書いた文章です。5年間でどう変わったでしょうか


サイクルフリーダムのスタッフは、岩佐昭一の
1名のみです。
以下、この
HPの文章もすべて私が書いています。

 私は「自転車屋」において、学校という要素を大事にしています。学校というと堅苦しく聞こえてしまいますが、平たく言えばロードバイクは「おもちゃ」であり、ロードバイクショップは「おもちゃ屋」です。せっかくおもちゃを買ったのに、遊び方を教える人がいなければ、深くのめり込むことが出来ません。僕はロードバイクショップに対して、自転車を売るという事と同じくらい、自転車を買いに来た人に乗り方を教えるという要素を大事にすべきだと考えています。

 TTバイクが良い例です。TTバイクを競技として本気で乗っているショップスタッフ、あるいは業界全体としてTTバイクをアマチュアに教えてくれる人はほとんどいませんよね。せっかくTTバイクというおもちゃを買ったのに、教えてくれる人がいなければ、楽しく遊べません。ユーザーを生徒として、スタッフを先生として、『教師不足の解消』は自転車業界全体の課題であり、ショップのスタッフに課された宿題であると捉えています。これはロードバイクに置いても同様だと感じます。


 サイクルフリーダムの経営は、商売、学校、公園という3つの要素を、可能な限り並立させるようにしていて、その中でも特に学校と公園という要素は特に優先しています。私とお客さんとフリーダムの関係は、生徒と先生と学校のそれをイメージしています。

 私が23歳で店を始めたばかりの頃は本当に全国最年少店長でしたが、5年経ち、28歳になった現在でも、まだかなり若い方です。ですから昔も今も、接客などでの説得力やお客さんの統率力に欠けてしまうのではないかとずっと悩んでいました。フリーダムに来るお客さんに対して、他店より劣った情報しか与えることが出来ないのではないかとい常に焦ってきました。メカニックとしての実績、選手としての実績、店長としての実績は、私の自転車屋経営において決定的に足りない部分であり、その説得力と統率力を身に付けることは、最優先課題のひとつです。

 ショップの本分は整備です。私は元来整備屋が本分ですから、整備ができればそれでいいという考えも理解できますが、それだけでは不十分だと考えています。メカニックとして最先端、最上級であるのと同時に、さらに自転車の乗り方を教える選手としても一流でありたいと思い続けてきました。現在の僕はこの“同時であること”に重きを置いていて、両方を同時期に兼ね備えている店長になりたいと思って過ごしてきました。

 私はもともと自転車選手ではありません。現在は28歳ですが、自転車競技を始めたのは25歳からですし、本格的に登録選手としてレースに参戦し始めたのは、2年前のことです。そんな私が店長なのですから、スタッフに元全日本チャンピオンや元オリンピック選手らを抱えるショップに対して、大きなコンプレックスに感じています。それを解消するには、僕自身が日本チャンピオンにならなければいけません。

 平地、坂、ロングライドからレースからスプリントまで、全てを高いレベルでこなし、顧客に対して適宜適切なアドバイスを送ることは、本来ショップのスタッフとして当たり前のことです。現在は自分が送った発言に対してしっかりと説得力を持たせられるだけの、選手としての高い実績を残す事を課題としています。


 そのうえで、元日本チャンピオンが整備を覚えたのではなく、整備をする人が現役で日本チャンピオンに登りつめる事を目標としています。逆ではダメ。あくまでショップのスタッフなのですから、メカニックとしての整備力が主軸であり、そのうえでおもちゃ屋のとして遊び方を教えられるようになる事です。具体的には、すべてのメーカーの全てのパーツを年式問わずに整備できる能力を持ち、同時に選手として高い実績を持つスタッフを抱えること。サイクルフリーダムのスタッフは私一人ですから、現時点では両方とも私自身がクリアする必要があります。

 それでも私ならきっと達成出来ると信じています。達成すれば、日本史上唯一、メカニックマンとして日本選手権を制した男を店長に抱える店として、サイクルフリーダムは日本で唯一無二の存在になるはずです。



また、学校と先生、生徒という概念に付随しているのが公園という要素です。おもちゃを買い、遊び方を教えてくれる人がいれば、あとは遊ぶ場所があれば良く、その場所の1つがショップであると考えています。

 僕はロードバイクを趣味とした時に、乗るだけが楽しみではないと思っています。パーツを触る事も、メカをいじる事も、それを眺める時間も、とても楽しい時間だと思います。ユーザーはパーツを見て、いじり方を教わる機会を得られることが大事ですから、それを与える側の人間としては、できる限りたくさんパーツを展示し、技術を披露する事が出来る環境を整える必要があります。


 店を作るのは学校の文化祭のような感覚です。お店の内装をきれいにするのも、展示品を増やすのも、教室を折り紙で装飾したり、景品の種類を増やしたりする感覚となんら変わりません。私自身も生徒の1人として、楽しい店、楽しい文化祭とは何かを考えながら店を作っています。先生としての自分と生徒としての自分が混同しないように気を付けていますが、なるべくなら生徒側にいたいものです。趣味が仕事になった今でも、それを楽しめている現状は、とても幸運だと思います。

 フリーダムを始める前に、とある人に、「岩佐君にもう少し野心があれば安心してみていられるのになぁ」と言われたことがあります。当時はその意味が良くわかりませんでしたが、今はわかる気がします。人より良い家に住み、人より良い車に乗り、人より良い暮らしをしたい、と思う事は経営者として成功するために備えていなければいけない資質であり、それは少しでも強い方が良いのだと思います。

 創業から5年が経ち、「2号店出さないの?」とか、「もっともっと会社を大きくしろよ!」と言われますが、今のところする予定はありません。あくまで予定ですが、現状は1人でやる事に大きな意義を感じています。会社を大きくするよりも優先したいこと、それはまさに私とお客さんがなるべく高いレベルで遊べる環境を作りたいということです。

 今はまだ1人でやりきりたい、という考えでいます。最近会社の経営がゲームのように感じるようになりましたが、ゲームをクリアするにあたって、1人でやってもいいし2人でやってもいいけれど、まずは1人でプレイしてみたい、といった感覚です。


 ロードバイクは店ではなく、人で選ばれる節が他業種よりも強いように感じます。自分のバイクを洗車から細部のセッティングまで、1人で請け負うことは、ユーザーにとってみればとても心強いことだと考えています。現在は独りでやっていますが、いずれサイクルフリーダムの従業員が増えた時には、そのことを十分に考えて対策していく必要があります。しかしそれは本当に難しい事です。



 この項目を書きなおすにあたり、そもそも店長とは何なのかをと問い改め、店長の仕事として最も大事な事は、お店の方向性を決める事なのだと思い至りました。サイクルフリーダムは5年前に、ママチャリショップを買い取るような格好で起ちあがりました。ママチャリ屋から脱却するのに2年半を費やし、今ではロードバイクの専門店になっています。プロショップとは何ぞやという質問もあるようですが、プロという言葉には専門家という意味があるので、私はそのまま専門店と捉えています。私の整備はママチャリから競技用MTBまで対応しますが、展示在庫という観点から見れば、サイクルフリーダムは完全にロードバイクの専門店です。

 サイクルフリーダムというゲームのクリア条件は、①店を黒字化させて借金を返済する事。②従業員の経済力を上げること。③そして業界への影響力、発言力を大きくすることの3つです。前2つは当然として、3つ目の業界への影響力というものを重視します。サイクルフリーダムの言動がサイクルフリーダムのためのみならず、もっともっと大きな視野をもち、次世代の後輩たちがロードバイクショップの経営に憧れるような立ち振る舞いを求めていきたい。

 私は大学を卒業した後、某大手都市銀行に就職する予定でした。両親はとても喜び、しかし私が「自転車屋」を始めたことで、せっかく銀行マンになったのに自転車屋なんかやるなんてバカじゃないの?と言われてきました。実際に自転車屋を始めてみても、自転車屋の社会的ステータスはとても低く、世間から良い評価をもたれることも少なく、とても悔しい思いをしてきました。

 僕はサイクルフリーダムを使って、自転車屋の社会的ステータスを上げたいと考えています。そのためには、サイクルフリーダムのブランド力と私自身の経済力を上げる必要があります。”この業界に入って成功すればサイクルフリーダムの店長のようになれる。”そうやって 他者にうらやましがられるような状況を作り出し、自転車業界の新規参入のビジネスモデルに昇華させて、そのビジネスモデルを元にしたにロードバイクの小売店数が増えてはじめて、サイクルフリーダムの真の成功といえる、との考えに至りました。


 自転車屋は正直、それほど利益率の高いビジネスではありませんから、一般の会社と決定的に違うと思う部分は、営業も経理も雑務も少人数で対応しなければいけないところです。通常はどこか1つに配属され、スペシャリストとして対応するものを、個人営業店では並行して全てやらなければいけません。それ相応の苦労もリスクもありますが、得られる対価も何倍も大きいと思います。メカニックとして整備するのも、選手として実績を積むのも、店長としてお客さんと接するのも、すべてサイクルフリーダムというゲームをクリアするために必要なミッションだと思えば、これほど楽しい仕事はありません。

それは、店長としても、選手としても、社長としても、その他いくつかの角度から見ても、そう感じられています。


(2015/2/17加筆)



以下はさらに3年前の25歳の時に書いた文章です。フリーダムを始めた当初はどう考えていたでしょうか……

☆☆☆スタッフ訓☆☆☆
  1. メカニックも選手であること。
  2. 新商品・新規格には常に敏感なこと。
  3. 商品インプレは自分自身の経験で語ること。
  4. わからないことはわかりませんと、正直に言うこと。
  5. 自分の自転車でトラブルを起こさないこと。
  6. 自分の自転車は常にきれいなこと。

店長 兼 メカニック 
兼 フォーム&ポジションアドバイザー 兼
パーツアッセンブルアドバイザー 
兼 店内お掃除係 
兼 草むしり 兼社長..... 

こんにちわ! フリーダムのスタッフ、 岩佐昭一(25) です
以上です。現在フリーダムには僕しかいません...。



ホームの方にも書きましたが、

大事なのはお客様が自由に、勝手に選んだ末に、サイクル・フリーダムにたどり着くこと。

公園、ウィンドウショッピング、販売所、修理、教習所、しゃべり場、遊び場、
いろいろな要素を含めて、どうやったら僕とフリーダムが選ばれるのか?
僕の、フリーダムを作る上での、考えの中心です。

サイクルフリーダムはできて2年が経ちましたが、
お客さん側の立場で、こういうことができたらいいナ、というのをできる限りやってきました。(いきます)

ハイエンドフレームが見たい。持ちたい。ハンドルを握りたい。サドルはケースから取り出しておいてほしい。
ハイペロンとかライトウェイトとか、実物見て、触って、持ち上げて、 ベアリングくるくるしたい。
僕は高い買い物するのに、“お手を触れないでください”なんてありえない。

だから僕が作るサイクル・フリーダムは、
フレームも、ホイールも、高級なパーツも、ガラスケースや什器は一切使っていません。
「すべてのものに触わることができる。」
僕がお客さんだったときに望んでいたことです。


いやぁ~、まさか自転車屋になるとは...。



<メカニックも選手であること>
<新商品・新規格には常に敏感なこと>
<商品のインプレは自分自身の経験で語ること>

商品を提供するショップサイドが、新しい規格や商品に厳しくあるのは当然なのですが、
僕はスタッフに、それを試して評価するだけの脚力と、細かい違いを感じ取れる繊細な感覚を持つことを求めています。
それに加えて、その経験をわかりやすく説明できる能力。
基本的な脚力、繊細な感覚、文章化能力、この3つがスタッフには必要です。
だからなかなかスタッフがみつからないんだけど...><。


スタッフの脚力は、その店のステータスに等しいと思っています。
スタッフの敗北は店の敗北である。しいてはフリーダムに来るお客さま達全員の敗北である。
絶対に勝たなくてはいけない...2位以下は許されない...スタッフにはそのくらいプレッシャーを背負って走ってほしいです。

そして、それだけのことを言えるスタッフ達が、商品のインプレの経験を伝えられる、というのは
お客さん達にとって必ず参考になるはずです。
僕が大事にしている「スタッフの質」は、ここにつながります。



僕はフリーダムを、レースに傾倒したお店にするつもりはありません。
お店にはレースをしたい人、ロングライドをしたい人、老若男女さまざまです。

でもそれはお客様側の話。スタッフはレースもロングライドも、1人でなんでもできなければいけません。
お客様から意見を求められる側には、それぞれの要求と課題を把握する能力、
的確なアドバイスができる能力が要求されます。

どちらか一方しかできない、というのは文字通り半人前。スタッフの質は店の質そのもの。
それを、これから増えていくであろうフリーダムのスタッフ達にも共有してほしいと思っています。


とりあえず使う。

経験がすべてです。

だから、新商品が出た場合は、メーカーに借りたり、自分で実際に購入したりして、かならず自分自身の評価をつくる。
ショップという立場が、もっとも公平で、自由な判断・評価ができるからです。

価格別の評価、各パーツの性能、性格、相性を踏まえたうえでの総合的なアッセンブルこそが、お客様の求める情報です。
そこを、メーカーの受け売りではなく、スタッフの経験に基づいて提案できるよう努めます。

2011年には7台のフレームを購入した男。今年はすでに4台...
上はまだ発売されていない商品を試させてもらった時の写真です。
僕のわがままを聞いてくださっている代理店さん達には本当に感謝しています。

しかし、大事なことはダメな部分はダメだとはっきり言うこと。
代理店のプレッシャーに負けずにね!

軽さでも剛性でも価格でも、良いことの裏には必ず悪いことがあります。
ただ高いだけというのも中にはあるけど...
それをお店のビジネスや事情を考慮して、隠さないことです。
今はそれができているから、フリーダムは成長してきたと思っています。




 

<わからないことはわからないと、正直にいうこと>
<自分の自転車でトラブルをおこさないこと>
<自分の自転車は常にきれいなこと>



フリーダムの特徴の1つに、若さがあります。
僕は現在25才です。僕はスタッフというだけでも全国最年少クラスなはずです。

そしてフリーダムも「創業何十年の老舗」ではありませんし、親から継いだわけでもありません。
もともとロードバイクの選手ですらありません。
僕は25歳。お店も出来て2年。

フリーダムに対して、若すぎてちょっと不安...と思われてしまうのは仕方ないと思っています。


プロショップと名乗る以上、整備力はあって当然。もちろん最新の規格も取り扱えなくてはいけない。
しかし、なかなか技術を、基準値や数字に表すことは難しいです。
これが、「自分の自転車にトラブルを起こさないこと」につながります。



僕の月間の走行距離1500km~3000km程です。
泥でも台風でも関係なく走らされる僕の自転車は、かなり走行強度が高いはずです。
だから自分の自転車にトラブルを起こらないことこそ、一番の証明になるのだと考えています。



最後の、「自分の自転車がきれいなこと」は当然です。
整備の基本は洗浄だからです。
自分の自転車もきれいにできない人が、他人の自転車をきれいにできるはずないからです。
また、技術職として性格的にマメなことは大切だと思っています。

スタッフのバイクは、お客さんの手本となるべき存在です。
それを、たくさん乗ってるから、仕事が忙しいから、汚くてもいい...なんて理由は通用しないと思ってます。

そしてこれは個人的な経験談なのですが、
「お店の人の自転車が汚いと、そこのお客さんの自転車も汚い」という法則があります。
僕の自転車がきれいでかっこよければ、フリーダムの自転車もきれいでカッコいいんです!
自転車は見た目です。。。

以上、駆け足でしたが、僕の、ショップに対するフィロソイフィーです。
これらを実現できるよう、努力し続けていきます。


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2012年8月21日の日記より~一部編集

お店はもうすぐで4年が終わります。フリーダムを始めてから、良くも悪くもいろんな所を変えてきましたが、変えていないものの1つに、HPの(スタッフ)の項目があります。みなさんお気づきかもしれませんが、あの文章は2年間全く変えていません。

始めて来たお客さんと挨拶をするとき、HPを見て来ました、店長は25歳なんですよね、とても若いですね、と話し始めることが多いのですが、現在は27歳です。(私の誕生年は1986年です。)
サバ読んで...るわけではありません。(スタッフ)の項目を更新しない理由はちゃんとあるんです。

これを書いたのは25歳の時。23歳からお店を始めたので、フリーダム設立から2年目に当たります。2年目に何があったかといえば、それはロードバイクの専門店に踏み切ったんです。

それまでのサイクルフリーダムは、ママチャリもある、クロスバイクもある、マウンテンバイクもある、いわゆる総合自転車店でした。それを完全ロードバイク専門ショップに切り替えたのが、25歳の時。実状的にも、心情的にも、ある種の“賭け”でした。完全ロードバイク専門店・サイクルフリーダムとして生まれ変わったばかりの頃に書いた25歳の文章は、言ってみれば会社の「初志」に当たります。

いずれ僕もフリーダムの店長を引退する時が来るはずです。そのときに、フリーダムを始めたばかりの頃に書いた文章を読みたいがために、(スタッフ)の項目を原文そのままに残しているんです。はたして初志は貫徹できたのか、できなかったならば、いったい何が変わったのか、変わったとすればきっかけなんだったのか、そうなった時には、それもどこかに残しておければな、と考えています。

幸いにして、27歳になった僕が25歳の時に書いた文章を見て、考え方やコンセプトは変わっていないと思っています。なるべくなら変わりたくないなとも思っています。

最近、(スタッフ)の部分を更新しないね、と言われることが増えましたが、更新しない理由はそんな理由です。


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~~ スタッフ募集について ~~

応募条件
1.上記を熟読したうえで、当店のお客様達からフリーダムのスタッフとしてふさわしいと認められる、主観的な自信があること。



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