私は「自転車屋」において、学校という要素を大事にしています。学校というと堅苦しく聞こえてしまいますが、平たく言えばロードバイクは「おもちゃ」であり、ロードバイクショップは「おもちゃ屋」です。せっかくおもちゃを買ったのに、遊び方を教える人がいなければ、深くのめり込むことが出来ません。僕はロードバイクショップに対して、自転車を売るという事と同じくらい、自転車を買いに来た人に乗り方を教えるという要素を大事にすべきだと考えています。 以下はさらに3年前の25歳の時に書いた文章です。フリーダムを始めた当初はどう考えていたでしょうか…… ---------------------- |
☆☆☆スタッフ訓☆☆☆
店長 兼 メカニック 兼 フォーム&ポジションアドバイザー 兼パーツアッセンブルアドバイザー 兼 店内お掃除係 兼 草むしり 兼社長..... こんにちわ! フリーダムのスタッフ、 岩佐昭一(25) です。 以上です。現在フリーダムには僕しかいません...。 ホームの方にも書きましたが、 大事なのはお客様が自由に、勝手に選んだ末に、サイクル・フリーダムにたどり着くこと。 公園、ウィンドウショッピング、販売所、修理、教習所、しゃべり場、遊び場、 いろいろな要素を含めて、どうやったら僕とフリーダムが選ばれるのか? 僕の、フリーダムを作る上での、考えの中心です。 サイクルフリーダムはできて2年が経ちましたが、 お客さん側の立場で、こういうことができたらいいナ、というのをできる限りやってきました。(いきます) ハイエンドフレームが見たい。持ちたい。ハンドルを握りたい。サドルはケースから取り出しておいてほしい。 ハイペロンとかライトウェイトとか、実物見て、触って、持ち上げて、 ベアリングくるくるしたい。 僕は高い買い物するのに、“お手を触れないでください”なんてありえない。 だから僕が作るサイクル・フリーダムは、 フレームも、ホイールも、高級なパーツも、ガラスケースや什器は一切使っていません。 「すべてのものに触わることができる。」 僕がお客さんだったときに望んでいたことです。 いやぁ~、まさか自転車屋になるとは...。 <メカニックも選手であること> <新商品・新規格には常に敏感なこと> <商品のインプレは自分自身の経験で語ること> 商品を提供するショップサイドが、新しい規格や商品に厳しくあるのは当然なのですが、 僕はスタッフに、それを試して評価するだけの脚力と、細かい違いを感じ取れる繊細な感覚を持つことを求めています。 それに加えて、その経験をわかりやすく説明できる能力。 基本的な脚力、繊細な感覚、文章化能力、この3つがスタッフには必要です。 だからなかなかスタッフがみつからないんだけど...><。 スタッフの脚力は、その店のステータスに等しいと思っています。 スタッフの敗北は店の敗北である。しいてはフリーダムに来るお客さま達全員の敗北である。 絶対に勝たなくてはいけない...2位以下は許されない...スタッフにはそのくらいプレッシャーを背負って走ってほしいです。 そして、それだけのことを言えるスタッフ達が、商品のインプレの経験を伝えられる、というのは お客さん達にとって必ず参考になるはずです。 僕が大事にしている「スタッフの質」は、ここにつながります。 僕はフリーダムを、レースに傾倒したお店にするつもりはありません。 お店にはレースをしたい人、ロングライドをしたい人、老若男女さまざまです。 でもそれはお客様側の話。スタッフはレースもロングライドも、1人でなんでもできなければいけません。 お客様から意見を求められる側には、それぞれの要求と課題を把握する能力、 的確なアドバイスができる能力が要求されます。 どちらか一方しかできない、というのは文字通り半人前。スタッフの質は店の質そのもの。 それを、これから増えていくであろうフリーダムのスタッフ達にも共有してほしいと思っています。 とりあえず使う。 経験がすべてです。 だから、新商品が出た場合は、メーカーに借りたり、自分で実際に購入したりして、かならず自分自身の評価をつくる。 ショップという立場が、もっとも公平で、自由な判断・評価ができるからです。 価格別の評価、各パーツの性能、性格、相性を踏まえたうえでの総合的なアッセンブルこそが、お客様の求める情報です。 そこを、メーカーの受け売りではなく、スタッフの経験に基づいて提案できるよう努めます。 2011年には7台のフレームを購入した男。今年はすでに4台... 上はまだ発売されていない商品を試させてもらった時の写真です。 僕のわがままを聞いてくださっている代理店さん達には本当に感謝しています。 しかし、大事なことはダメな部分はダメだとはっきり言うこと。 代理店のプレッシャーに負けずにね! 軽さでも剛性でも価格でも、良いことの裏には必ず悪いことがあります。ただ高いだけというのも中にはあるけど... それをお店のビジネスや事情を考慮して、隠さないことです。 今はそれができているから、フリーダムは成長してきたと思っています。 <わからないことはわからないと、正直にいうこと> <自分の自転車でトラブルをおこさないこと> <自分の自転車は常にきれいなこと> フリーダムの特徴の1つに、若さがあります。 僕は現在25才です。僕はスタッフというだけでも全国最年少クラスなはずです。 そしてフリーダムも「創業何十年の老舗」ではありませんし、親から継いだわけでもありません。 もともとロードバイクの選手ですらありません。 僕は25歳。お店も出来て2年。 フリーダムに対して、若すぎてちょっと不安...と思われてしまうのは仕方ないと思っています。 プロショップと名乗る以上、整備力はあって当然。もちろん最新の規格も取り扱えなくてはいけない。 しかし、なかなか技術を、基準値や数字に表すことは難しいです。 これが、「自分の自転車にトラブルを起こさないこと」につながります。 僕の月間の走行距離1500km~3000km程です。 泥でも台風でも関係なく走らされる僕の自転車は、かなり走行強度が高いはずです。 だから自分の自転車にトラブルを起こらないことこそ、一番の証明になるのだと考えています。 最後の、「自分の自転車がきれいなこと」は当然です。 整備の基本は洗浄だからです。 自分の自転車もきれいにできない人が、他人の自転車をきれいにできるはずないからです。 また、技術職として性格的にマメなことは大切だと思っています。 スタッフのバイクは、お客さんの手本となるべき存在です。 それを、たくさん乗ってるから、仕事が忙しいから、汚くてもいい...なんて理由は通用しないと思ってます。 そしてこれは個人的な経験談なのですが、 「お店の人の自転車が汚いと、そこのお客さんの自転車も汚い」という法則があります。 僕の自転車がきれいでかっこよければ、フリーダムの自転車もきれいでカッコいいんです! 自転車は見た目です。。。 以上、駆け足でしたが、僕の、ショップに対するフィロソイフィーです。 これらを実現できるよう、努力し続けていきます。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 2012年8月21日の日記より~一部編集 お店はもうすぐで4年が終わります。フリーダムを始めてから、良くも悪くもいろんな所を変えてきましたが、変えていないものの1つに、HPの(スタッフ)の項目があります。みなさんお気づきかもしれませんが、あの文章は2年間全く変えていません。 始めて来たお客さんと挨拶をするとき、HPを見て来ました、店長は25歳なんですよね、とても若いですね、と話し始めることが多いのですが、現在は27歳です。(私の誕生年は1986年です。) サバ読んで...るわけではありません。(スタッフ)の項目を更新しない理由はちゃんとあるんです。 これを書いたのは25歳の時。23歳からお店を始めたので、フリーダム設立から2年目に当たります。2年目に何があったかといえば、それはロードバイクの専門店に踏み切ったんです。 それまでのサイクルフリーダムは、ママチャリもある、クロスバイクもある、マウンテンバイクもある、いわゆる総合自転車店でした。それを完全ロードバイク専門ショップに切り替えたのが、25歳の時。実状的にも、心情的にも、ある種の“賭け”でした。完全ロードバイク専門店・サイクルフリーダムとして生まれ変わったばかりの頃に書いた25歳の文章は、言ってみれば会社の「初志」に当たります。 いずれ僕もフリーダムの店長を引退する時が来るはずです。そのときに、フリーダムを始めたばかりの頃に書いた文章を読みたいがために、(スタッフ)の項目を原文そのままに残しているんです。はたして初志は貫徹できたのか、できなかったならば、いったい何が変わったのか、変わったとすればきっかけなんだったのか、そうなった時には、それもどこかに残しておければな、と考えています。 幸いにして、27歳になった僕が25歳の時に書いた文章を見て、考え方やコンセプトは変わっていないと思っています。なるべくなら変わりたくないなとも思っています。 最近、(スタッフ)の部分を更新しないね、と言われることが増えましたが、更新しない理由はそんな理由です。 ※※※※※※※※※※※※ ~~ スタッフ募集について ~~ 応募条件 1.上記を熟読したうえで、当店のお客様達からフリーダムのスタッフとしてふさわしいと認められる、主観的な自信があること。 |